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日本看護科学会誌
Vol. 30 (2010) No. 1 P 1_14-1_24

記事言語:

http://doi.org/10.5630/jans.30.1_14

原著

目的:慢性呼吸器疾患患者における呼吸困難のマネジメント方略の実行状況とその特徴,ADLとの関連について検討することを目的とした.
方法:医療機関に外来通院中の慢性呼吸器疾患患者64名を対象に,個人特性,呼吸困難のマネジメント方略,ADLに関する横断調査を実施した.
結果:最も多くの対象者が行っていた呼吸困難のマネジメント方略は,「自分のペースで動く」,次いで「動作をゆっくり行う」であった.呼吸困難のマネジメント方略の実行内容に基づく分類では,マイペース型,動作調整型,呼吸調整型,呼吸・動作調整型の4類型を認めた.最も多くのマネジメント方略を行い,呼吸困難が強い特徴をもつ呼吸・動作調整型の対象者は,他の類型の対象者に比べ,疾患特異的なADLは低値であったが,下肢筋力に有意差は認めず,自立した生活を行っていた.また,呼吸困難が軽度の群においては,動作をゆっくり行う群はそれを行わない群に比べ,ADLが有意に低かった.
結論:呼吸困難が強い対象者では,呼吸困難のマネジメント方略を駆使することでADLを維持できる可能性があるが,一方,呼吸困難が軽度で呼吸機能が著しく低下していない段階で,動作を抑制するようなマネジメント方略の使用は,ADLを自らで制限していくことにもなると考えられた.

Copyright © 2010 公益社団法人 日本看護科学学会

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