日本看護科学会誌
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原著
異常を診断された胎児と生きる妊婦の経験
荒木 奈緒
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2011 年 31 巻 2 号 p. 2_3-2_12

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抄録
本研究は,異常と診断された胎児と生きることが妊婦にとってどのような経験であるかを,妊娠期の妊婦の生活全体から記述し探求することを目的とした.
本研究はMerleau-Pontyの人間存在の基盤を前提にし,Thomasらが使用したPollioの現象学的アプローチの研究ステップに基づいて分析を行った.
結果,異常を診断された胎児と生きる妊婦の経験には《子どもの無事を身体で感じる》《世間に合わせる煩わしさ》《「ひとりぼっち」と「繋がり」の併存》《子どもと共に時を漂う》の4つのテーマが存在した.妊婦は,自身の身体で子どもを知覚することで無事を確信し,妊娠期間を子どもと共にある時間として重んじていた.また,他者との交流から自分や世間の価値観を知り,孤独であることと居場所があることの両方を認識していた.妊婦の経験の本質は,自らの身体をもって体内に在る我が子を感じ,これから生きていく社会を知り,そして,身に被る全てのことを受けることが示された.
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© 2011 公益社団法人 日本看護科学学会
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