日本看護科学会誌
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研究報告
HIV/AIDS 外来患者の二次感染予防における看護援助の実施状況
川井田 恭子小澤 三枝子西岡 みどり佐藤 鈴子
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2011 年 31 巻 4 号 p. 4_64-74

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抄録
目的:HIV/AIDS外来患者の二次感染予防における看護援助(以下「看護援助」)の実施状況を把握し,実施に関連する因子を検討する.
方法:エイズ拠点病院83施設の外来に勤務する看護師を対象に,「看護援助」21項目の実施状況および実施しなかった理由,看護師の属性(7項目),環境要件(7項目)に関する自記式の質問紙調査を行った.21項目の「看護援助」のそれぞれについて,自分の役割として認識している「役割認識あり」の看護師を対象に実施状況を分析した.
結果:「役割認識あり」の実施状況を,「6割以上の患者に実施」(「高実施」)の割合で比較すると,「高実施」の割合は43~69%であり,日常生活や社会資源の情報提供に関する「看護援助」で高く,「性行為のタイプについて確認する」などプライベートな領域に踏み込むような「看護援助」で低かった.また,HIV/AIDS外来配置形態間では,専従看護師の「高実施」の割合がそれ以外の看護師よりも高く,「受持制」と「受持制でない」の間では,「受持制」の「高実施」の割合が「受持制でない」よりも高かった.
結論:「看護援助」の実施率と外来配置形態や「受持制」が関係していた.高い専門性を持つ専従看護師の配置や「受持制」の導入が,「看護援助」の実施率向上に有効である可能性が示唆された.
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© 2011 公益社団法人 日本看護科学学会
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