理学療法の臨床と研究
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総説
フレイル・サルコペニアの概念とその判定方法
福尾 実人
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2019 年 28 巻 p. 15-

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抄録

わが国は、諸外国に例をみないスピードで高齢化が進んでいる。しかも、わが国の高齢化率 は年々増加していき、2065 年には4人に 1 人が 75 歳以上の後期高齢者になると推計されてい る。この後期高齢者の特徴の1つには心身の機能の減弱が原因となるフレイルが挙げられてい る。フレイルは、要支援・要介護に至る原因となる。また、フレイルは加齢により有病率が高 くなるため早期の対策および介護予防が重要となる。フレイルの中核要因はサルコペニアであ り、早期に筋力および筋量の低下を引き起こす。一般に加齢による筋委縮は、上肢筋よりも下 肢筋で著しいと報告されている。特に若年者は高齢者と比べて大腿部の筋量減少を認めている。 しかし、フレイル高齢者では下肢筋群以外にも上腕部および肩甲骨下部の筋量の低下が示され ている。そのため、フレイル高齢者では下肢以外にも上腕および肩甲骨下部の骨格筋量増加を 目的としたレジスタンス運動を行う必要がある。

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© 2019 公益社団法人 広島県理学療法士会
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