日本看護科学会誌
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研究報告
母親の子どもに対する「愛着–養育バランス」尺度の開発第1報
─母親から子どもへの「愛着」「養育」の構成因子の抽出─
武田 江里子小林 康江加藤 千晶
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2012 年 32 巻 1 号 p. 1_30-39

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抄録

目的:母親から子どもへの「愛着」「養育」の構成因子を抽出し,項目の信頼性と妥当性を検討することである.
方法:構成因子として「適応」「敏感性」「親密性」をあげ,それぞれに愛着的因子・養育的因子の定義づけを行い計6因子とした.文献および自己で作成した244項目を,定義に則って母性・助産の専門家と検討し60項目まで絞り込みを行った.1か月児,1歳6か月児を持つ母親344名への自記式質問紙による調査の結果から,項目の信頼性と妥当性の検討を行い,項目を絞り込んだ.
結果:項目分析の結果を照らし合わせ,項目を入れ替えながらクロンバックのα係数を比較し,30項目を選出した.30項目のクロンバックのα係数は0.882であり,探索的因子分析では6因子が抽出された.
結論:抽出された6因子は想定したものと完全に一致はしなかったが,愛着的因子・養育的因子には想定通り分かれており,項目の信頼性と妥当性は支持された.

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© 2012 公益社団法人 日本看護科学学会
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