日本看護科学会誌
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原著
「研究成果活用力自己評価尺度―臨床看護師用―」の開発
亀岡 智美舟島 なをみ野本 百合子中山 登志子
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2012 年 32 巻 4 号 p. 4_12-4_21

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抄録

目的:病院に就業する看護職者が,看護実践への研究成果活用に関わる能力向上に活用できる自己評価尺度を開発する.
方法:次の4段階を経て尺度を開発した.(1)質的帰納的研究の成果に基づく看護実践への研究成果活用の実現に重要な行動の抽出,(2)質問項目の作成・尺度化とレイアウト,(3)専門家会議とパイロットスタディを通した内容的妥当性の検討,(4)調査実施と収集したデータを用いた項目分析の実施,因子分析に基づく下位尺度の構成,尺度の信頼性・妥当性検討である.
結果:全35項目6下位尺度の5段階リカート型尺度「研究成果活用力自己評価尺度―臨床看護師用―」(以下,SRUC)を構成できた.全国の病院に就業する看護職者458名から収集したデータの分析結果は,尺度が,内的整合性と安定性による信頼性,構成概念妥当性を確保していることを支持した.
結論:開発した尺度SRUCは,信頼性・妥当性を確保しており,看護職者が看護実践への研究成果活用に関わる能力を自己評価するために活用可能である.

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© 2012 公益社団法人 日本看護科学学会
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