日本看護科学会誌
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研究報告
出産後の会陰部痛の関連因子と日常生活への影響
竹内 翔子柳井 晴夫
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キーワード: 産褥期, 会陰, 疼痛
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2013 年 33 巻 4 号 p. 4_24-4_32

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抄録
目的:出産後の会陰部痛の関連因子と日常生活への影響の総合的な関係性を探索し,会陰部痛に対するケアへの示唆を得る.
方法:都市部の病院3施設,助産所6施設で正期産児を経腟分娩した日本人女性503名に自記式質問紙を配布し,425名の有効回答を得た.
結果:共分散分析の結果,会陰部痛の助長因子は「35歳以上」「初産婦」「仰臥位分娩」「会陰切開」であり,会陰切開は会陰裂傷II度よりも産褥0日から4日の痛みの軽減が有意に少なかった.また共分散構造分析の結果,日常生活の中で【座位への支障】と【動静への支障】が特に大きく,「初産婦」「会陰損傷の程度」「会陰部痛の程度」が支障の増強因子であった.性生活の再開では,「初産婦」と「日常生活への支障」が不安の増強因子である一方,「周囲の心理的理解」は不安の軽減因子であり,会陰ケア満足度を高める因子でもあった.
結論:会陰部痛が緩和するケアをより充実させる必要性が示唆された.
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© 2013 公益社団法人 日本看護科学学会
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