日本看護科学会誌
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総説
看護基礎教育課程における小児看護学シミュレーション教育の課題:
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松澤 明美白木 裕子津田 茂子
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2017 年 37 巻 p. 390-398

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抄録

目的:看護基礎教育課程における小児看護学シミュレーション教育の研究を概観し,今後の教育上の課題を明らかにする.

方法:CINAHL,PubMed,医学中央雑誌Web版に2015年12月までに公表されたシミュレーションによる小児看護学教育に関する38論文を対象とした.

結果:シミュレーションによる小児看護学教育の研究は近年急増し,小児の発達段階に焦点をあてたアセスメント・ケアをマネキン・高性能シミュレーターを用いたシナリオにより,講義・演習,一部は臨地実習を代替して実施していた.評価では知識,学習経験,技術・パフォーマンス,批判的思考,臨床判断力,自信・満足度等が用いられ,特にわが国では介入後のみの評価や学生の主観的評価であった.

結論:小児の発達段階を踏まえたアセスメント・ケアを強調するシナリオ,一連の講義・演習におけるシミュレーションおよび臨地実習を含む教育デザイン,評価指標と測定方法等の研究デザインの課題が示唆された.

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© 2017 公益社団法人日本看護科学学会
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