2018 年 38 巻 p. 193-202
目的:新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit; NICU)における看護師のファミリーセンタードケア(Family-Centered Care; FCC)の実践の影響要因について仮説を検証する.
方法:43カ所のNICUの看護管理者43名およびスタッフ1,700名を対象に質問紙調査を実施した.FCC実践の影響要因はマルチレベル分析および重回帰分析により探索した.
結果:有効回答数(回答率)は,管理者40名(93.0%),スタッフ764名(44.9%)であった.FCC実践の個人的要因は,FCC信念(t = 9.11),個人レベルの組織風土(t = 4.79),臨床経験年数(t = 3.35)であり,組織的要因は集団レベルの組織風土(t = 3.33),両親の24時間面会可の方針(t = 2.62)であった.また,管理者の教育・管理行動の一部の項目と集団レベルの組織風土は有意な関連があり,FCC実践に間接的に影響していた.
結論:良好な組織風土や家族の自由な面会方針は看護師のFCC実践を促進することが示唆された.