2019 年 39 巻 p. 1-9
目的:同じフィールドで実習している他大学薬学部学生とのクリニカルIPEを,看護学実習の一部に試行導入し,看護学生が認識するIPEの効果および課題を明らかにする.
方法:A大学看護学部学生のうちクリニカルIPEを体験した4年生12名,3年生28名を対象に無記名自記式質問紙調査(自由記載,RIPLS等)を実施し,実習の前後比較を行った.自由記載はBerelsonの内容分析法を用い,統計学分析の有意水準はp < .05とした.
結果:有効回答は4年生7名(58.3%),3年生は12名(42.9%)であった.各学年共に実習前後のRIPLS得点に有意差を認めなかった一方,4年生は専門職に求められる連携・協働の姿勢や態度を学び,3年生はIPEを通して他職種への障壁,緊張が緩和していた.課題として,学年に応じた実習目標の設定および実習方法の工夫等が示された.
結論:クリニカルIPEの一定の効果を確認した一方で,看護学生のレディネスに応じた運営上,指導上の課題が明らかになった.