目的:救急外来での終末期患者の家族ケアに対する看護管理者の評価および組織体制の実態とその関連について明らかとすることを目的とする.
方法:救急外来の看護管理者を対象に質問紙調査を実施した.救急外来での終末期患者の家族ケア30項目を使用,因子分析から評価得点を作成し,組織体制との重回帰分析を行った.
結果:有効回答は149名(51.6%)であった.救急外来での終末期患者の家族ケア30項目に対する肯定的な評価の割合は53.3~96.6%であった.重回帰分析の結果,合計得点と「救急外来での年間死亡患者数」(β = –0.21),「多職種連携体制あり」(β = 0.25),「ケアの評価あり」(β = 0.44),「標準化されたケアプラン・マニュアルあり」(β = 0.24)で関連を認めた.
結論:看護管理者が十分に実践されていないと認識しているケアの存在が明らかとされ,実践の促進には多職種連携体制やケアの評価・標準化に関する組織体制整備が必要であることが示唆された.