日本看護科学会誌
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原著
地域在住高齢者のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実施状況と関連要因:横断研究
稲垣 安沙高野 純子野口 麻衣子山本 則子
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2020 年 40 巻 p. 56-64

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抄録

目的:地域高齢者のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)実施状況と関連要因を探索した.

方法:高齢者向け地域活動に参加した65歳以上の地域高齢者380名にACP実施状況(ACPに関する話し合い及び記録)等を尋ねる自記式質問紙調査を実施した.ACP実施状況の関連要因を多重ロジスティック回帰分析にて検討した.

結果:131名(有効回答率34.5%)のうち,ACPに関する話し合いは83名(63.4%),記録は31名(23.7%)が実施していた.話し合いには介護経験有(オッズ比(OR):5.2,95%信頼区間(CI):1.9~13.9)と記録実施(OR:7.3,95%CI:1.4~37.1)が関連した.記録には終末期に自宅療養の希望有(OR:3.6,95%CI:1.3~9.7)と話し合い実施(OR:12.9,95%CI:2.7~61.6)が関連した.

結論:介護経験者を先達としてACPに関する話し合いの機会を設けるなどの支援プログラムが求められる.

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