日本看護科学会誌
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原著
看護職の業務遂行における多重課題に関する研究
―卓越性,熟慮性,および自己効力感との関連―
小口 翔平山口 大輔松永 保子
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2020 年 40 巻 p. 74-81

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抄録

目的:多重課題困難感の要因として看護実践能力,認知的熟慮性,自己効力感との関連を探索することを目的とした.

方法:看護職349名の基本的属性,多重課題困難感,看護実践の卓越性自己評価尺度(NESCP),認知的熟慮性-衝動性尺度,一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)について,Mann-Whitney U検定と多重ロジスティック回帰分析を行った.

結果:多重課題困難感を感じない群でNESCP(p < 0.001)やGSES(p < 0.001)の得点が高く,GSESの得点の増加(aOR = 0.864, 95%CI: 0.803~0.930)や男性であること(aOR = 2.975, 95%CI: 1.333~6.639)が,多重課題困難感を低下させる要因であった.

結論:多重課題困難感の要因として自己効力感と性別が関連していた.自己効力感を高めるような教育を行うことで,多重課題困難感を軽減する可能性が示唆された.

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© 2020 公益社団法人日本看護科学学会
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