日本看護科学会誌
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原著
術前がん患者の反すう傾向と抑うつ・ソーシャルサポートとの関係に関する研究
近藤 三由希大川 明子
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2020 年 40 巻 p. 457-464

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抄録

目的:術前がん患者の反すう傾向と抑うつ,ソーシャルサポートとの関係を明らかにする.

方法:A県がん診療拠点病院で,呼吸器・消化器外科の24~64歳の術前患者を対象に,反すうに関する尺度,ソーシャルサポート尺度,抑うつ(CES-D)と個人属性からなる自記式質問紙を用いた横断的調査を実施した.

結果:101名が研究に参加した(回収率90.2%・有効回答率100%).反すうのネガティブな内省と抑うつには正の相関が認められた.問題への直面化とCES-D得点には有意な相関はみられなかったが,ソーシャルサポートと有意な相関が認められた.反すう傾向が認められない場合には,アドバイス・助言がCES-D得点と関連する.しかし,ネガティブな内省ではソーシャルサポートはCES-D得点の軽減に効果的ではなく,診断早期からの専門家のサポートが必要である.

結論:術前がん患者において,反すうのネガティブな内省はCES-Dと関連がある.2つの反すう傾向により抑うつ感情に対するサポートは異なる.

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© 2020 公益社団法人日本看護科学学会
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