目的:日本で外来通院中の中長期在留者の2型糖尿病と共に生きる生活体験のあり様を明らかにする.
方法:2型糖尿病で外来通院中の中長期在留者6名に半構造化面接を実施した.1段階目として質的統合法(KJ法)を行った後,2段階目としてカテゴリ化を行った.
結果:1段階目の分析の結果,最終ラベルは39枚となった.2段階目の分析の結果,《日本で気づいた糖尿病の怖さ》《母国との比較で日本の医療を肯定した自己管理への取り組み》《医療者に頼らない自分での対処》《母国の食文化とは異なる日本での自己管理への取り組み》《その人なりの糖尿病との生活》《異国での糖尿病と暮らす戸惑いや不安》《外国人だからこそ感じる糖尿病治療への期待》の7つのカテゴリが明らかになった.
結論:中長期在留者の自己管理や糖尿病との生活には,母国とのギャップや日本の医療の捉え方が影響し,特有の困難や状況があると考えられた.文化背景に歩み寄り,多様性に配慮した支援の必要性が示唆された.