日本看護科学会誌
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原著
特定行為研修を修了した看護師が認識する看護実践の変化
樋口 佳耶林 千冬
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2020 年 40 巻 p. 645-653

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抄録

目的:ジェネラリスト看護師が特定行為研修を修了したことによって,医療チームの中で自らの看護実践がどのように変化したと認識しているかを明らかにする.

方法:研究参加者10名に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.

結果:データ分析の結果,【医学的な推論や判断ができるようになる】【フィジカルアセスメントを行う視点が広がる】【診断や治療に踏み込んだ発言ができるようになる】【特定行為が行えるからこその提案を医師にできるようになる】【特定行為が行えるからこそ提供できるケアが増える】等の7カテゴリーを抽出した.

結論:研究参加者は特定行為研修を修了し,診断プロセスについての知識を習得したり,特定行為を行えるようになったことで,これまでできなかった医師への提案やケアが行えるようになったと認識していた.看護実践の変化として語られた内容が,療養上の世話の視点からのサービス提供とどのように関連づけられていたのかを明らかにすることが,今後の課題と考える.

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© 2020 公益社団法人日本看護科学学会
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