目的:COVID-19拡大状況下の看護研究活動の阻害要因と促進要因を探索する.
方法:日本看護科学学会会員のうち,同意を得た1,532名にオンライン質問紙調査をした.2020年4~6月のCOVID-19拡大状況下の研究活動に関する自由記載項目に記入した554名の記述について,研究プロセスを分析枠組みとする内容分析を行った.
結果:各研究プロセスの阻害要因は,【研究計画の実行可能性に対する不確かさ】【研究者と研究参加者双方に生じる負担への懸念】等の12カテゴリー,各研究プロセスの促進要因は,【既存の価値観に囚われない発想の転換】【研究成果公表に向けた選択と集中】等の7カテゴリーが導かれた.
結論:学際的連携による創造的な研究方法の確立,倫理的配慮の具体化,組織的な研究環境改善に向けた取り組み,研究マネジメント力強化,思考の転換と行動力が持続可能な研究活動推進の鍵となることが示唆された.