2022 年 42 巻 p. 101-110
目的:病院に勤務する女性看護師の腰痛・肩こりとワーク・ファミリー・コンフリクト(WFC)および職業性ストレスの関連を明らかにする.
方法:病院に勤務する女性看護師118名に,基本的属性,腰痛・肩こりの程度(0~10点のNumerical Rating Scale;NRS),WFC尺度日本語版,新職業性ストレス簡易調査票を用いて調査した.分析では,腰痛・肩こりのNRS得点7点以上を高度群,7点未満を非高度群として2群に分け,単変量解析で有意となった項目を説明変数,腰痛または肩こりの程度を目的変数として多重ロジスティック回帰分析を実施した.
結果:腰痛には「時間に基づく仕事から家庭への葛藤(WIF)」と「役割明確さ」が有意に関連し,肩こりには「時間に基づくWIF」が有意に関連した.
結論:女性看護師の腰痛・肩こり対策には,WFCへの対策を個人と組織とが双方で行うことや,個人が責任を過度に負わない職場の協力体制を構築することが重要であると示唆された.