2022 年 42 巻 p. 401-411
目的:医療観察法通院処遇対象者への訪問看護における看護実践項目をデルファイ法によりコンセンサスを求めて,看護実践として活用できる項目を検討する.
方法:先行研究において明らかになった再他害行為に関連した支援の困難に対する工夫,社会復帰を地域生活において支援をする困難に対する工夫など5領域における42の看護実践項目案に対して,デルファイ法による質問紙調査を2回実施した.医療観察法通院処遇対象者への訪問看護において豊富な経験があると管理者が推薦した訪問看護師54人を対象とした.
結果:第1回調査は回収数28で,7項目が表現の修正,自由意見で1項目が追加となった.第2回調査は回収数24で,1項目が削除,1項目が表現の修正となった.最終的に42の看護実践項目のコンセンサスを得ることができた.
結論:訪問看護師がコンセンサスを得た看護実践項目を活用することで,医療観察法通院処遇対象者の訪問看護における困難感を軽減できる可能性につながる.