2022 年 42 巻 p. 446-455
目的:非糖尿病性保存期CKD患者の病気認知の特徴より,病気認知タイプを分類化すること.
方法:非糖尿病性保存期CKD患者に対するインタビュー調査により明らかにした病気認知の特徴を,ヘルスビリーフモデルの構成要素をもとに事例-コードマトリックスにまとめ演繹的に分析した.
結果・結論:健康行動に『利益感』を認める事例と認めない事例に分類でき,さらに『障害感』『行動』より,利益感あり群は3タイプ(A~Cタイプ),利益感なし群は2タイプ(D・Eタイプ)に分類した.Aタイプは「自己管理を生活に取り入れ堅実に実行できるタイプ」,Bタイプは「揺らぎながらも自己管理行動を生活に取り入れ実行するタイプ」,Cタイプは「自己管理への不本意さをもちながらも指示に服従するタイプ」,Dタイプは「病気が納得できず自己管理を実行するが,虚無感があるタイプ」,Eタイプは「病識がなく十分に自己管理が行えていないタイプ」であった.患者タイプに応じた教育内容や教育方法を検討する必要性が示唆された.