2025 年 45 巻 p. 1-13
目的:「看護師の健康に影響を与える仕事への態度」という概念の構造を明らかにし,概念の活用性を検討する.
方法:Rodgers & Knafl(2000)の分析方法にて4つのデータベースを用いた46文献を対象とした.
結果:【自己を低く評価する】,【看護師としての在り方に戸惑いを抱く】,【本心をごまかす】,【役割への重圧を感じる】,【自分を差し置いて患者に献身する】,【我を忘れて仕事に没頭する】の属性6つ,先行要件5つ,帰結3つが示された.
結論:「責任感から自分よりも患者を優先して仕事へ尽力するという前向きさがある一方で,自己評価の低さによる仕事への重圧が相まって看護師としての在り方に戸惑いを抱くことで自身の健康を左右する働き方を選択する恐れがある状態」と定義した.本概念は,仕事と健康のバランスを模索する上で自己の内面に気づく機会を提供し,看護基礎教育において自己の健康管理方法を検討する促しや組織の心理的安全性の構築へ有用性が示唆された.