日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
総説
意味づけの概念分析:心理的ケアへの適用可能性の検討
荒井 洋子常盤 洋子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2025 年 45 巻 p. 49-59

詳細
抄録

目的:意味づけの概念を明らかにし,その特徴と心理的ケアへの適用可能性を検討する.

方法:国内外の30文献を対象に,Rodgersの概念分析法を用いた.

結果:属性は【自己との対峙】【考え方の変容】【新たな自己の発見】【新たな解釈】が抽出された.先行要件は6カテゴリー,帰結は3カテゴリーが導き出された.

結論:本概念は,「直面する状況において自己と対峙する中で,考え方の変容や新たな自己を発見し,自分自身を再解釈するプロセス」と定義された.これにより,意味づけは,個人が直面する困難を乗り越える際の認知的アプローチとして,人としての成長や適応を促す重要な役割を持つことが支持された.また,意味づけの概念を心理的ケアに適用する可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top