日本看護科学会誌
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原著
セルフモニタリングにモバイルヘルスアプリケーションを取り入れた外来心不全患者の体験
金城 芽里東辻 朝彦佐野 元洋岡田 将眞嶋 朋子
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2025 年 45 巻 p. 773-783

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Abstract

目的:セルフモニタリングにモバイルヘルスアプリケーション(以下アプリ)を取り入れた心不全患者の体験を明らかにし,セルフモニタリングにアプリを取り入れる心不全患者に対する看護支援を検討することを目的とした.

方法:心不全患者18名に半構造化面接を行い,質的に分析した.

結果:カテゴリーとして,信頼する存在をきっかけとしたアプリ使用の決意,活用に対する期待と葛藤,取り入れるための試行錯誤,負担の軽減,アプリでセルフモニタリングを継続する判断,仕様や環境による困難,アプリ使用のつまずきによる継続困難,が示された.

結論:心不全患者はアプリ導入から継続に至るまで多様な体験をしており,それらはセルフモニタリングにアプリを使用することへの期待や不安,生活背景,医療者との関わりに影響されていた.看護師はこうした心理社会的側面や生活状況に応じ,導入時から継続的な個別的支援を行うことが求められる.

Translated Abstract

Aims: This study aimed to clarify the experiences of patients with heart failure (HF) using mobile health applications for self-monitoring practices and to explore implications for nursing support.

Methods: We conducted semi-structured interviews with 18 patients with HF and performed a qualitative analysis of the data.

Results: The analysis identified seven categories: “Decision to use the app motivated by a trusted person”, “Expectations and conflicts regarding app use”, “Trial-and-error process of incorporating the app”, “Reduction of burden”, “Decision to continue self-monitoring using the app”, “Difficulties due to app specifications and environment”, and “Difficulty in continuing self-monitoring due to challenges in app use”.

Conclusion: Patients with HF had diverse experiences, throughout their use of the app, from initial introduction to its ongoing use. These experiences were influenced by their expectations, anxieties about app-based self-monitoring, individual life contexts, and interactions with healthcare professionals. Therefore, nurses should provide individualized, continuous support starting from the introduction phase, while considering patients’ psychosocial factors and daily life circumstances.

Ⅰ. 緒言

現在,世界の心不全患者数は3,000万人に達する勢いであり,本邦でも2030年には最大130万人に達すると予測されている(Okura et al., 2008).心不全の予後改善には体重・症状の定期記録,服薬,運動の調整など,多方面の行動変容が求められるが(日本循環器学会/日本心不全学会,2025),これらを自宅で継続することは患者にとって心理・身体的負荷が大きい(山本ら,2024).こうした継続的な行動変容には,患者自身が日々の体調や変化に気づき,適切に対応していくセルフマネジメント能力の向上が求められる.セルフマネジメントは,より良いセルフモニタリングによって改善するとされ(Wilde & Garvin, 2007),身体症状,身体活動の変化,体調管理の状況を自覚や測定により把握し,それらの情報から自らの病状を解釈するセルフモニタリング(服部ら,2010)はセルフマネジメントの基盤をなすものといえる.

米国心臓協会(AHA)のステートメント(Riegel et al., 2017)ではセルフケアは,セルフケアメンテナンス・セルフケアモニタリング・セルフケアマネジメントの3つのプロセスから構成されるとし,多くの障壁が存在することも指摘されている.先行研究では,心不全患者が症状モニタリングやその解釈といった複雑な行動を継続することは容易ではないこと(Lee & Riegel, 2018),体重や症状を毎日測定することの重要性が十分に理解されていないことや,家族・医療者からの支援の不足がセルフモニタリングを含むセルフケアの障壁となることが報告されている(Siabani et al., 2013van der Wal et al., 2010).近年,こうした困難を補う手段としてモバイルヘルスアプリケーション(以下,アプリ)の活用が注目され,自己効力感の向上やQOL改善など,慢性疾患患者のセルフマネジメントを支援するツールとして有用性が報告されている(Aminuddin et al., 2021Schmaderer et al., 2021).特に,日々の症状や体調を適時に可視化し継続的な学習を促す機能は,心不全患者の自己認識を向上させ,エンパワーメントを高めてセルフマネジメントを支援するものと期待されている(Woods et al., 2019).セルフモニタリングとセルフマネジメントが連続したプロセスであることを踏まえると,心不全管理のためのアプリの使用は体重や症状の変化を可視化し適時に認識できるようにすることでセルフモニタリング能力を高め,セルフマネジメントを促進する手段となっていると考える.

本邦においても,令和4年に高血圧治療用のプログラム医療機器が薬事承認・保険収載されたことを契機に(厚生労働省,2023),心不全マネジメント支援アプリの開発や有効性の検証が進められている(Ito et al., 2024).これらの治療用アプリは医師の処方によって提供されるが,患者がその効果を十分に享受するためには,日常生活の中にアプリを取り入れセルフモニタリングに統合していくことが不可欠であると考える.しかし,患者が既存の生活習慣に新たな技術を統合することは困難であることが示されている(Woods et al., 2019Siabani et al., 2013).慢性疾患患者がセルフマネジメントを継続していくうえで医療者の支援は重要であり(Riegel et al., 2012),アプリを用いた心不全セルフマネジメント介入に関する先行研究においても,その有効性は患者教育や医療者からの支援により高まることが報告されている(Sivakumar et al., 2023Bezerra et al., 2022).したがって,看護師には患者がこうしたアプリを日常生活やセルフモニタリングに円滑に統合できるよう支援する役割が求められると考える.

本邦における患者用アプリに関する研究や報告文献は,がん性疼痛のセルフマネジメント看護支援プログラムの有効性の検証(奥出・佐藤,2024)や糖尿病患者へのアプリを活用した糖尿病管理の報告(野村・津下,2020)などがあるが,その数は限られている.国外に目を向けると,アプリの遠隔モニタリング機能による再入院率の低下(Park et al., 2019),知識の改善(Athilingam et al., 2017)などの量的研究,自己認識の促進(Madujibeya et al., 2023Schmaderer et al., 2021),アプリ機能やフィードバックのパーソナライズ,導入コストの課題(Madujibeya et al., 2023Vo et al., 2024Son et al., 2020)など,アプリ活用に伴う患者の体験に関する質的研究も多数存在する.しかし,これらの先行研究は心不全管理アプリを用いた介入の効果検証や有効性の確認が焦点となっており,心不全患者の視点からセルフモニタリングにアプリを取り入れるときにどのような看護支援が必要かを検討している研究はない.

そこで本研究は,心不全患者がセルフモニタリングにアプリを取り入れた際に感じたこと,考えたことといった主観的な内面的反応,そしてそれに伴う行動を体験として明らかにすることで,心不全患者がセルフモニタリングにアプリを取り入れるときに,どのような看護支援が必要か検討し,看護実践への示唆を得ることを目的とする.本研究によって得られる知見は,心不全患者へのアプリを活用したセルフモニタリング支援モデルの構築に寄与すると考える.

Ⅱ. 研究目的

セルフモニタリングにアプリを取り入れた心不全患者の体験を明らかにし,心不全患者がセルフモニタリングにアプリを取り入れるときにどのような看護支援が必要かを検討することである.

Ⅲ. 用語の定義

セルフモニタリング:身体症状,身体活動の変化,体調管理の状況を自覚や測定により把握すること,また,それらの情報から自らの病状を解釈すること

体験:心不全患者がアプリを取り入れた際に示した心理的反応,導入・使用時の工夫や困難,継続・中断に関わる言動といった,対象者が語る主観的な現象

Ⅳ. 調査方法

1. 研究デザイン

質的記述的研究デザインを用いた.質的記述的研究デザインは,人間の経験についての理解を深め(Holloway & Wheeler, 1996/2011),疑問に対して率直でできるだけ解釈を加えない解答を得るのに適した研究手法である(谷津・江藤,2013).本研究テーマのように先行研究が多くない状況では,まず現象の詳細な記述が必要であり(坂下ら,2023),患者の体験を丁寧に記述していく質的記述的デザインを採用することが適当であると考えた.

2. 研究対象者

1) 研究対象者

研究対象者は,心不全と診断され,循環器内科外来へ定期的に通院している成人のうち,医師の勧めにより心不全のセルフモニタリングにアプリを取り入れた者である.ただし,本研究は面接調査である特性上,日本語による意思疎通が困難な者は対象から除外した.

2) 研究対象者の選定

関東圏の大学病院循環器内科外来にて対象者を選定した.当該外来は重症心不全患者が多いことが特徴であると同時に,若年の患者が多くITリテラシーが比較的高い集団であろうと推察された.この背景のもと,ITを活用したセルフケア強化を目的として,医師主導で外来通院中の心不全患者に対し,セルフモニタリングにアプリを導入する取り組みが実施されていた.本研究では,アプリ導入患者のうち2022年12月から2023年3月に外来を受診予定であった者について担当医から紹介を受けて研究説明を行い,同意が得られた者を対象者とした.

3. 調査方法と調査内容

1) 診療録調査

年齢,性別,背景疾患,心不全罹病期間,アプリ使用開始時の左室駆出率(LVEF),ニューヨーク心機能分類(NYHA分類),アプリ使用期間,就業や同居家族の有無について調査した.

2) 面接調査

外来受診時に個室で半構造化面接を行った.面接では対象者がセルフモニタリングにアプリを取り入れた体験について,アプリの使用を決定した場面からこれまでの経過を想起してもらい,心不全患者がアプリを取り入れた際に示した心理的反応,導入・使用時の工夫や困難,継続・中断に関わる言動などについて半構造化面接を行った.面接は各対象者につき1回行われ,面接時間は平均29.6 ± 9.8分であった.

4. 研究で使用したアプリの概要

本研究では,オムロン株式会社と医師が共同開発した心不全管理用アプリを使用した.このアプリはBluetooth®対応の血圧計・体重計と連動し,測定値の記録・可視化,服薬リマインダー,自動メッセージ配信,症状入力機能を備えていた.データはクラウドで管理され,医療者は専用端末から閲覧可能であったが,双方向のメッセージ機能はなかった.このアプリは,循環器内科担当医により対象者に紹介された.対象者がアプリの使用を決定した後に,書面および映像を用いて使用方法や体重計や血圧計とのBluetooth®接続方法について説明を受け,その後アプリと対応した血圧計や体重計が貸与された.これらは6か月間使用した後もアプリの使用継続を希望する場合は,対象者が自ら購入することとなっていた.アプリのダウンロード及び使用は無料であった.

5. 分析方法

Elo & Kyngäs(2008)の方法により帰納的内容分析を行った.まず面接内容を逐語化して精読した.対象者がアプリを取り入れた際に示した心理的反応,導入・使用時の工夫や困難,継続・中断に関わる言動など,対象者が語った主観的な現象について語られた内容を意味単位として抽出した.また,セルフモニタリングにアプリを取り入れた体験は,対象者がアプリを使用する意思決定をした時点から面接時点までの体験とした.抽出した語りの意味内容を検討し,コード化した後に類似性や相違性を比較検討しながら抽象度を上げ,カテゴリーを構築した.分析過程では,心不全患者への看護に精通し,心不全看護分野における研究経験を有する共同研究者と討議を重ね,信頼性の担保に努めた.

6. 倫理的配慮

千葉大学大学院看護学研究院倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号NR4-85).対象者に研究目的・内容を説明し,同意書署名により同意を得た.

Ⅴ. 結果

1. 対象者の概要

対象者の基本的属性について表1に示す.患者は18名(男性15名,女性3名)であり,年齢は平均60 ± 11.6歳であった.心不全罹病期間は平均5.3 ± 3.5年,心不全の背景疾患は拡張型心筋症が10名で最も多かった.NYHA心機能分類は,NYHAIIs度が14名,NYHAIIm度は2名,NYHAIII度は2名であった.また,アプリ使用開始時のLVEFは21~57.5%と個人差が大きかったが,一般的にLVEFが低下していると判断される40%以下の患者は14名であった.面接時における患者のアプリ使用期間は平均176.5 ± 19.9日であった.

表1 対象者の概要

対象者 年代 性別 心不全の背景疾患 心不全
罹病期間(年)
LVEF
(%)
NYHA分類 アプリ
使用期間(日)
就業の有無 同居家族の有無
A 50 男性 拡張型心筋症 5 21 IIs 122 就業中 なし
B 70 男性 拡張型心筋症 9 57.5 IIs 189 退職 あり
C 70 男性 弁膜症 12 38.6 IIm 185 退職 あり
D 60 男性 拡張型心筋症 3 28.2 IIs 175 就業中 あり
E 60 女性 心サルコイドーシス 8 34.9 III 181 あり
F 50 男性 拡張型心筋症 12 40.4 IIs 182 就業中 あり
G 50 男性 虚血性心筋症 1 31.1 IIs 146 就業中 あり
H 40 男性 拡張型心筋症 1 45.3 IIs 188 就業中 あり
I 50 男性 拡張型心筋症 7 29.2 IIs 181 就業中 あり
J 40 男性 弁膜症 5 36.9 IIs 169 就業中 あり
K 40 男性 薬剤性心筋症 4 39.9 IIs 185 就業中 あり
L 70 男性 虚血性心筋症 6 38.8 IIs 205 退職 あり
M 60 男性 拡張型心筋症 2 37.8 IIs 187 就業中 あり
N 70 男性 拡張型心筋症 1 21.6 III 147 退職 なし
O 40 男性 拡張型心筋症 6 24.7 IIm 195 就業中 あり
P 70 女性 不整脈 9 31.2 IIs 174 あり
Q 60 男性 虚血性心筋症 2 39.5 IIs 178 就業中 あり
R 60 女性 拡張型心筋症 3 47.6 IIs 188 就業中 あり

LVEF=左室駆出率,NYHA=ニューヨーク心機能分類

2. セルフモニタリングにアプリを取り入れた外来心不全患者の体験

セルフモニタリングにアプリを取り入れた心不全患者の体験に関して226の意味単位が抽出され,44のコード,20のサブカテゴリー,7つのカテゴリーを生成した(表2).以下,カテゴリーごとに具体的な発言内容を示す.なお,カテゴリーは【 】,サブカテゴリーは《 》,コードは〈 〉患者の具体的発言は「 」,患者の発言の補足は( ),発言者の患者IDは[ ]内に示す.

表2 セルフモニタリングにモバイルヘルスアプリケーションを取り入れた外来心不全患者の体験

カテゴリー サブカテゴリー コード
信頼を寄せる存在をきっかけとしたセルフモニタリングにアプリを導入する決意 信頼する医療者の存在に喚起されアプリの使用開始を決意する 信頼する医師からアプリを紹介され,医師が勧めるなら使ってみようと思う
クラウドを介して自宅で測定した体重や血圧を病院で医師が見ることができると聞き,診察の役に立つのであれば使ってみようと考える
馴染みのある存在に喚起されて使用開始を考える アプリを開発した企業の他製品を日常的に使っており,その企業が作ったアプリなら使ってみたいと考える
セルフモニタリングにアプリを活用することに対する期待と葛藤 アプリの機能によりセルフモニタリングの利便性の向上を期待する 測定機器から測定結果が自動的にアプリに記録されることで,血圧や体重をノートに記入する手間が省けると思う
アプリの測定時間や服薬時間を知らせるリマインド機能により,これまでよりセルフモニタリングが意識づけられると考える
アプリの記録が医療者と共有できることにより,セルフモニタリングの安心感が増すと期待する 自宅で測定した血圧や体重などの記録をクラウドを通して医師と共有することで,心不全の増悪を早期発見してもらえるのではないかと考える
日々の血圧や体重の変化について自身で判断することは難しいため,クラウドを介して記録を医師と共有できることは心強い考える
セルフモニタリングにアプリを取り入れることへの意欲と不安との間での葛藤する 今までのセルフモニタリング方法を変更し,新たにアプリを取り入れることへの意欲と面倒な気持ちの間で揺れ動く
セルフモニタリングのためにアプリを使用してみたいが,高齢者である自分が使いこなすのは困難だと懸念する
セルフモニタリングにアプリを取り入れるための試行錯誤 アプリのセルフモニタリング機能の操作方法の習得に向けて自分に合った方法を模索する これまでの経験からアプリの画面を見て記録の見方や症状の入力方法など直感的にアプリの操作方法を理解する
1度の説明では操作方法が十分に習得できなかったため,自宅で説明書や動画をながらアプリの操作方法を学ぶ
他者に聞いたほうが早いと考え,スマートフォンの操作に慣れている第三者にアプリの操作方法について教えを乞う
アプリの全ての機能の操作を習得することは困難だと判断し,必要最低限の機能のみ習得しようと決める
アプリの操作を習得するために,書面や動画だけでなく実際のアプリを用いた操作練習の機会がほしいとを希望する
セルフモニタリングにアプリを取り入れる自分なりの方策をたてる アプリへのアクセスが容易になるようにアイコンをスマートフォンの目につきやすい位置に配置する
診察時に医師に報告したいことや気になっていることをアプリに入力し,備忘録としての活用法を見出す
アプリの様々な機能を使う時間がなく,自身のセルフモニタリングに必要だと思う機能を選択して使用することを決める
アプリの様々な機能を使う時間がないため,医師に相談し指示された機能のみを使用することを決める
アプリの様々な機能の中で自分がセルフモニタリングに使用する機能について医療者と相談して決めたいと願う
アプリを使用したセルフモニタリングを習慣化するための手段を見出す 血圧や体重測定,服薬にリマインダー機能を用いたり,アプリの記録内容を確認する時間を設定しアプリの使用を日々の日課として取り入れる
一人ではセルフモニタリングが継続ができないと考え,アプリの記録を家族にも共有することで家族からフィードバックをもらえる環境を作る
血圧測定や服薬を忘れないように,アプリのリマインダー機能やフィードバック機能を設定する
アプリ使用によりセルフモニタリングの負担が軽減したという実感 アプリの機能を使用することによりセルフモニタリングが容易になったと感じる アプリ上では血圧や体重などの記録が自動でグラフ化され,これまでの経過を視覚的に把握しやすくなったと感じる
アプリからの定期的なフィードバックメッセージがあることで,セルフモニタリング行動を振り返る習慣ができる
アプリならではの記録の管理によりセルフモニタリングおける心理的負担が軽減したと感じる セルフモニタリングにアプリを用いると記録がクラウドに保存されるため記録の紛失や劣化がなく安心だと感じる
セルフモニタリングにアプリを用いることで医師と日々の記録の共有ができており,外来診察時に医師とのコミュニケーションが円滑になったと感じる
アプリのこれまでの記録を自身の体調の判断に生かす 現在の自覚症状とアプリに記録した過去の症状とを比較することで体調の評価をする
アプリの記録を経時的に追うことにより,体調変化の傾向を捉える
アプリのこれまで記録から体調を把握し,行動調整に生かす
自己の思いと他者の支援に支えられたアプリでセルフモニタリングを続ける判断 自身の中から芽生えた思いに支えられてアプリを使用を継続する 心不全が命にかかわる病気であるという認識により,医師と記録を共有できるアプリを使用継続したいと考える
アプリの記録を振り返りながら現状を維持しようと考えている時にセルフモニタリングの楽しさを実感する
アプリに記録された測定値を振り返ることで,セルフモニタリングを行っているやりがいを感じる
信頼する医療者の存在にアプリ使用継続の意欲を呼び起こされる 外来診察時に医師にアプリの記録内容から自宅でのセルフモニタリングについてフィードバックされ,これからもアプリを用いてセルフモニタリングを継続しようと思う
アプリへのセルフモニタリングの記録を医師への報告であると捉え,これからも継続しようと思う
医師がアプリに記録したデータを診療に活用している姿をみて,これからもセルフモニタリングの記録をアプリに記録しようと思う
アプリの仕様や環境によりもたらされるセルフモニタリングを行う上での困難 アプリと連携した測定機器を要することで継続したセルフモニタリングが妨げられる アプリへの記録に専用の測定機器を使用しなければならず,宿泊を伴う外出時は継続したセルフモニタリングが困難になる
住環境とアプリの仕様の相性が悪くアプリを使用してセルフモニタリングを行うことが億劫になる 住環境と通信の相性が悪く,アプリを使用するたびに専用の測定機器との接続を設定しなければならずアプリを使用してセルフモニタリングを行うことが面倒になる
アプリの煩雑な操作にストレスを感じアプリを使用したセルフモニタリングの継続に困難感を抱く アプリのアップデートにより慣れていたUIが変更され直感的に操作ができなくなりセルフモニタリング継続に困難を感じる
ノートに書いた記録の閲覧と比較しアプリの記録を閲覧するまでの操作が煩わしく,アプリを使用したセルフモニタリングにストレスを感じる
セルフモニタリングにアプリを使用できない場面に対処する 通信状況や専用の測定機器との接続等の問題でアプリを用いたセルフモニタリングが困難な時には,ノートに記録するなど自分なりの代替方法をとる
アプリによるセルフモニタリングが馴染まず従来の方法に戻すことを希望する アプリよりも従来の記録方法のほうが自分にはあっていると感じ,セルフモニタリング方法を戻したいと考える
アプリ使用のつまずきによるセルフモニタリングの継続困難 多忙や接続のストレスによりアプリ使用が億劫となりセルフモニタリングが停滞する 忙しい生活のなかでアプリの立ち上げが億劫になりセルフモニタリングが滞り,その状態に慣れる
測定器機とアプリの接続に時間がかかることがストレスになり,セルフモニタリングが滞る
アプリの使用が馴染まず従来の方法に戻るもセルフモニタリングが中断する セルフモニタリングにアプリを使用することが馴染まず従来の方法に戻そうと考えたが,従来のセルフモニタリングも滞る

1) 【信頼を寄せる存在をきっかけとしたセルフモニタリングにアプリを導入する決意】

患者の多くが自身の信頼する医療者からセルフモニタリングにアプリを取り入れることを勧められたり,よく知る企業が開発したアプリであったことなどをきっかけにアプリの導入を決意する体験をしていた.このカテゴリーは2サブカテゴリーと3コードで構成された.

「あの人,真面目じゃん.そう,患者にも伝わる.だからあの先生が勧めてくれたんだからやってみようかってことだよな.」[D]

「で,違和感が特別その,○○という会社は私も体温計とか持って使ってましたから.あのう,そういう部分では信頼がないわけではないので(使ってみようと思った).」[B]

2) 【セルフモニタリングにアプリを活用することに対する期待と葛藤】

患者はセルフモニタリングにアプリを使用することでクラウド上のデータを病院の医療者も見ることができることについて,自宅でも医療者とつながっているという安心感を持つ一方で,従来のセルフモニタリングに新たなテクノロジーを導入することへの不安も抱いていた.このカテゴリーは3サブカテゴリーと6コードで構成された.

「(医療者と)データがつながるっていうのは,信頼度が大きいと思います.うん.そうですね.それは大きい.」[H]

「あのやっぱり,どうしてもああいうのって多機能でいろいろするじゃないですか.特に高齢者になるとね,そういうのを感じてますね.ゲームじゃないから,あんまり複雑なことは続けられるっていう気はしないので.」[B]

3) 【セルフモニタリングにアプリを取り入れるための試行錯誤】

患者はセルフモニタリングにアプリを取り入れていくために,様々な試行錯誤を行い,時には他者の協力も得ながら自分なりの方策を見出していた.このカテゴリーは3サブカテゴリーと13コードで構成された.

「やっぱり人によりけりで,僕,多分そこそこ自分のことひいきしちゃいますけど,家族の支援もあったんで(使い方を)理解しやすい立ち位置の人間だと思うんですけど.」(G)

「それはだって毎日やることだから(スマートフォンの画面の)1ページのほうがいいでしょう.使うからここにぽんと(アプリをいれている).」[D]

4) 【アプリ使用によりセルフモニタリングの負担が軽減したという実感】

患者はアプリを使用することで記録の管理や体調把握の簡便さ,心理的負担の軽減などを実感していた.このカテゴリーは3サブカテゴリーと7コードで構成された.

「じゃあデータ見てちょっと振り返って,っていう事には使ったかなっていう.そういう習慣のあれにするには,デジタルのいつも飛んで,いつでも見られるのは便利ですよね.紙だとね,だいたいどこかにいくか,(記録を)つけないかっていう.」[F]

「自分の体調を把握するのにも,把握して行動の要望だったり,今日気を付けようとか,今日は運動したいけど階段はやめてエレベーターにしといた方が良いな,とかそういうのを,ちょっと気をつけられるだけでも大分違うんじゃねえかなっていう気はする.あーいう機械(アプリ)でやるっていうことの意味そういう意味があるんで.測定ができて履歴が残っている事に意味があるじゃん.」[A]

5) 【自己の思いと他者の支援に支えられたアプリでセルフモニタリングを続ける判断】

患者は心不全という疾患の重症性に対する自己の認識や医療者からのフィードバックなど様々な要因に動機づけされアプリの使用継続を判断する体験をしていた.このカテゴリーは2サブカテゴリーと6コードで構成された.

「大変ですね.朝忙しい時は.めんどくさいなって思う時がありますね.(アプリの使用を続けるのは)もちろん,それはだって自分が重病なわけだから.そうですよね.」[I]

「(先生がアプリの記録を)ちゃんと見ててくれるんだったら,私のほうもちゃんとデータ取らないとって思いますよね.さぼってたんじゃね?まずいって,やりましたよ.」[F]

6) 【アプリの仕様や環境によりもたらされるセルフモニタリングを行う上での困難】

患者はアプリの使用を継続する中で,アプリの仕様により困難を感じ,その困難に対して様々に対処してセルフモニタリングを継続しようとしていた.このカテゴリーは5サブカテゴリーと6コードで構成された.

「あのわたくしのうちは,どっちかっていうと家自体がコンクリートなんですよね.通信が非常に難しいんですよ.Bluetooth®なんかちょっとアレすると本当切れてしまう.で,インターネットもですね,いくつか中継しないと繋がらなかったり.そういう,どうしても私のうちの住環境と機械との相性というのが今一つうまくいってなかったのかなという.」[B]

「それは,せっかくあれ(測定)しようと思うと通信ができなかったりとか.実際はこのところは自分の前使ってた体重計で測ってたんです.だから(アプリにデータが)飛ばないってことじゃない.自分でアナログで見ていた.」[B]

7) 【アプリ使用のつまずきによるセルフモニタリングの継続困難】

患者は,アプリを用いたセルフモニタリングが生活に馴染まず,さらに多忙な生活背景などの影響によりアプリの使用につまずいていた.患者はその状況に対処しようと試みたものの十分に対処できず,その結果,セルフモニタリング継続が困難となっていた.このカテゴリーは2サブカテゴリー2コードで構成された.

「一番は,さあ,やるぞ,で始めればいいんでしょうけれども,毎朝,朝になったときに,やらなきゃ,(アプリを)開けなきゃ,時間ないや,明日でいいかって.それが日々続いて,だんだん,それも慣れてしまうっていう良くないところで,そのままになっていたっていうのが現状だと思う.」[G]

「そっち(血圧手帳への記録)も止まっちゃってるっていう感じです.(アプリから)切り替えようと思ったら,逆にもう,そっちのほうも止まっちゃってる.面倒くさいなっていうところでっていうところで一気に.あと外的要因で仕事が急に,この3年で一番忙しい状況になってしまったので,もう,そこで気持ちの余裕というのもなくなり…っていうのはあるかもしれない.」[J]

Ⅵ. 考察

1. セルフモニタリングにアプリを取り入れた心不全患者の体験

本研究で患者が心不全患者のために標準化されたアプリを取り入れていくときに,アプリを使用する意思決定を行い,試行錯誤しながらセルフモニタリングに統合していく体験をしていた.一方で,セルフモニタリングにアプリを使用することに困難を感じそれに適切に対処できない場合,セルフモニタリングが阻害される体験をしていた.

1) セルフモニタリングにアプリを使用する意思決定をする

【信頼を寄せる存在をきっかけとしたセルフモニタリングにアプリを導入する決意】【セルフモニタリングにアプリを活用することに対する期待と葛藤】の2つのカテゴリーは,患者が心不全のセルフモニタリングにアプリを使用するという意思決定をしていく体験であると考えた.遠藤(2016)は,自身の意思とは社会的環境の中で決めていくものであるとし,意思決定は複数の要素を勘案し先の見通しを立てて決断していくことであると述べている.本研究の患者がセルフモニタリングにアプリの使用を意思決定する体験には,多くの場合医療者が関与していた.また,患者は従来のセルフモニタリングに新しくアプリを取り入れることを想定し,期待と不安の間で葛藤を抱きながら意思決定を行っていた.このことから,上記2つのカテゴリーは患者が他者との関係性や自身の経験に基づき,期待と不安を抱きながら先を見据えて意思決定する体験であると考えた.

本研究の患者の多くは,アプリの機能がセルフモニタリングの容易性を向上させたり,アプリを通して医療者と日々の記録を共有できることに期待していた.これは,心不全患者にとって心不全症状を自身で判断することは難しく(山本ら,2024),アプリの機能により医療者とそれらの記録が共有できることが安心材料となることの表れであろうと考える.しかし一部の患者は,期待をもつと同時にセルフモニタリングにアプリを取り入れることへの意欲と不安との間で葛藤していた.先行研究は,慢性疾患を持った特に高齢患者のICT技術使用を阻害する患者関連要因としてデバイス操作技術の自信の欠如があることが明らかにしている(Zaman et al., 2022).一方で,Cajita et al.(2018)は,高齢者でも健康のためにアプリなどのテクノロジーの使い方を学ぶ意欲をもつことを明らかにし,高齢者が新しいテクノロジーを使用するときには個々の能力に応じてトレーニングプロセスを調整する必要があるとした.本研究では,導入時説明が動画と書面による一律的なものであったこと,外来環境でのアプリ導入であり操作が習熟するまで十分な支援ができなかったことが患者の不安を高める要因となったと考える.

2) セルフモニタリングにアプリを統合していく

【セルフモニタリングにアプリを取り入れるための試行錯誤】,【アプリ使用によりセルフモニタリングの負担が軽減したという実感】,【自己の思いと他者の支援に支えられたアプリでセルフモニタリングを続ける判断】の3つのカテゴリーは,患者がセルフモニタリングにアプリを統合していく体験であると考えた.慢性疾患におけるセルフマネジメント統合は,1)戦略の模索,2)コストとベネフィットの検討,3)ルーチンや行動計画の作成,4)生活に応じた調整の段階を経るとされ,これらは同時進行や後戻りを伴うことも多く,病気体験,生活状況,信念,社会的支援といった文脈に影響される(Audulv et al., 2012).本研究の患者も,セルフモニタリングにアプリを取り入れるための方法を試行錯誤し,患者なりにアプリを使用したセルフモニタリング習慣を構築しながら,これまでの方法と比較して自身にとってアプリを使用することが有益であると結論付ける体験が示された.そして,このセルフモニタリング習慣の再構築には患者自身の心不全に対する認識や医療者の存在など内的・外的動機付けによって強化されていた.

光岡・平田(2019)は,後期高齢者の慢性心不全患者の自己管理継続の要因について信頼する医療者や介護者からのサポートが要因となることを明らかにした.アプリを使用したセルフマネジメント支援における臨床医と心不全患者の視点を明らかにした研究においても,医療者とのアプリを通じたコミュニケーションや個別化されたフィードバックがアプリを使用したセルフマネジメントを促進する要因になるとしている(Bezerra et al., 2022).本研究では,アプリを通じた双方向性のあるコミュニケーションはなかったものの,定期外来受診時には担当医からアプリに記録したデータに基づくフィードバックなどの定期的なコミュニケーションが図られていた.スマートフォンを用いた患者への介入では患者のインターフェースへの接触頻度は経時的に下がっていくことが明らかになっているが(Loeckx et al., 2018),本研究において患者が外来受診時にアプリの使用や日々の記録について医療者と定期的にコミュニケーションをとっていたことは外的動機づけとなり,日々のセルフモニタリングにアプリを統合していくことを促進していたと考えられる.

3) アプリが生活に馴染まずセルフモニタリングを阻害される

本研究における新たな知見は,患者が【アプリの仕様や環境によりもたらされるセルフモニタリングを行う上での困難】を体験しそれに対処していた点,それらの困難に対処不能な場合に【アプリ使用のつまずきによるセルフモニタリングの継続困難】に至る体験をしていることが明らかになった点である.この知見から,アプリの仕様・環境による困難がセルフモニタリングの阻害を引き起こすという関連性が推測された.すなわち,通信不安定やインターフェース不適合などアプリの使用体験における様々な支障が,アプリを使用したセルフモニタリングの中断,そして従来の方法への回帰を誘発し,それが叶わなかった結果セルフモニタリング自体が滞るという過程であった.

先行研究では,一部の患者にとっては時間と労力がテクノロジーの受け入れの障壁となり,既存のセルフケアの日課を継続することの容易さと便利さが,新しいテクノロジーの使用方法を学ぶという技術的な課題を上回るとしている(Woods et al., 2019).また,起業家の行動変容を支援するアプリの使用を阻害する要因について分析した研究では,仕事による時間不足がアプリの使用を阻害する一因であると示されている(Kekkonen et al., 2023).本研究では,患者の年齢層が40~70歳代(平均60歳 ± 11.6)であり,慢性心不全患者の約68%が65歳以上であることを考慮すると比較的若い対象集団であった(Shiba et al., 2011).そのため就業している者も多く,多忙な生活が新たなテクノロジーであるアプリをセルフモニタリングに取り入れることを阻害する一因となったと推測される.

患者は,アプリを使用してセルフモニタリングを継続することが困難であると判断した後に,従来の方法に戻すことで対処しようとしていた.しかし心不全患者がセルフマネジメントに伴う日課を変更することの難しさは先行研究でも述べられている(Madujibeya et al., 2023山本ら,2024).患者が多忙な生活の中で新たなセルフモニタリング方法を取り入れ,また従来の方法に戻そうとすることは大きなストレスであったと推測でき,それにより継続的なセルフモニタリングが阻害されたものと考えられる.

2. 実践への示唆

本研究の知見は,医療者の推奨により一般的な健康管理機能をもつアプリをセルフマネジメントに導入した心不全患者に対して応用可能であると考える.

本研究の結果から,心不全患者に対するアプリを用いたセルフモニタリング支援において,看護実践上いくつかの示唆が得られた.第一に,患者はアプリ導入時に期待と不安の間で葛藤しており,画一的な説明や支援では十分ではなく,患者のITリテラシーや生活背景に応じた個別的かつ段階的な導入支援が求められる.第二に,患者は試行錯誤を重ねながらアプリをセルフモニタリングに統合し,外来受診時に医療者からフィードバックを得ることが継続の動機付けとなっていた.このことから,まず,アプリを介して蓄積された日々の記録を診療や看護支援に活用し,患者の生活習慣を評価・支援することが重要である.そして,これらの支援がアプリを介した記録に基づき行われていることを実感できるように伝えることが,アプリ使用の定着を促進すると考える.第三に,通信環境やインターフェース不適合,多忙な生活などによりアプリの使用が生活に馴染まない場合,患者は従来の方法に戻ろうとするが,その過程でセルフモニタリングが滞る可能性があることが明らかになった.従来のセルフモニタリング方法からアプリへの移行期には,患者のセルフモニタリング行動をアプリの記録を通じて観察し,移行が滞っている場合には状況に応じて個別的な支援を行う必要がある.また,通信環境や生活背景によってアプリの使用が一時的に中断される可能性があるため,こうした状況を想定してアプリを使用できない場合の代替的なセルフモニタリング方法を事前に説明しておくことも重要であると考える.さらに,中断が生じた際にはその要因を患者とともに振り返り,再開に向けた支援を行うとともに,患者の生活や環境に応じてアプリの使用頻度や方法,従来の方法へ戻すことも含めて柔軟に調整してセルフモニタリングの空白期間を最小限にとどめる支援が必要である.

3. 研究の限界と今後の課題

本研究にはいくつかの限界がある.第一に,本研究では担当医の勧めに応じてアプリの使用を開始した患者の中から対象者を選定した.そのため,セルフモニタリングにアプリを使用することに対し肯定的な患者が多く含まれていた可能性があり,心不全患者全体の体験を必ずしも代表していない可能性がある.そのため,今後はアプリ使用への意欲や背景が多様な患者を対象とし,より一般化可能性の高い知見を得ることが課題である.

第二に,本研究では1種類のアプリに限定して調査を行った.そのため,特定のアプリの機能や操作性に依存した結果となっている可能性があり,他のアプリや今後開発される多様なアプリにそのまま適用できるとは限らない.したがって,将来的には異なる機能や特徴をもつ複数のアプリを対象として比較・検討を行い,より幅広い状況に適用可能な支援のあり方を明らかにしていく必要がある.

Ⅶ. 結論

本研究では,セルフモニタリングにアプリを取り入れた外来心不全患者の体験として7つのカテゴリーが得られた.心不全患者がアプリをセルフモニタリングに取り入れる際に,多様な体験をしていることが明らかとなった.これらの体験は,患者の期待や不安,生活背景,医療者との関わりに大きく影響されていた.したがって,看護師はセルフモニタリングへのアプリ導入から継続に至るまで,患者のITリテラシー,心理社会的側面や生活状況に即した個別的な支援を提供することが求められる.

付記:本研究の内容の一部はAssociation of Cardiovascular Nursing and Allied Professions(ACNAP)2024にて発表した.

謝辞:本研究にご協力いただきました心不全患者の皆様,研究の場を提供してくださった病院関係者の皆様に心より感謝を申し上げます.

助成金:本研究は,JST 次世代研究者挑戦的研究プログラムJPMJSP2109の支援を受けた.

利益相反:本研究で使用したアプリおよび関連機器(血圧計・体重計)は,オムロン株式会社より無償貸与を受けたが,使用開始から6か月経過後は返却または対象者が自己負担で購入した.研究者はいかなる金銭的または物的利益の供与を受けていない.また,研究実施当時,共著者岡田将はオムロン株式会社より委託研究費の提供を受けていたため,利益相反として開示する.なお,現在当該関係は解消されている.

著者資格:MKは本研究の着想及びデザイン,データ収集,分析,考察等,論文作成全般を行った.AHは本研究のデザイン,分析,考察を共同で行った.MSは研究方法と分析と考察への助言,SOは研究フィールドの調整と考察への助言,TMは論文原稿への示唆及び,研究プロセス全体への助言を行った.すべての著者は最終原稿を読み,承認した.

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