日本看護科学会誌
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安静と運動が腎疾患患児の病状に及ぼす影響に関する研究
二宮 啓子
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1994 年 14 巻 4 号 p. 51-59

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抄録

腎疾患患児に的確な安静への援助を行なうために, 患児の実際の運動量を知り, 運動量の変化が腎疾患の病状に及ぼす影響について明らかにすることを目的に研究を行なった。
入院中の慢性腎疾患の小・中学生42例を対象に, 入院中と外泊中の1日エネルギー消費量・運動量をカロリーカウンターを用いて, 患児1例につき連続2週間測定し, 1日尿蛋白量との関係を分析した。その結果, 以下のことが明らかになった。1) 運動量は個人差が大きく, 患児ごとの運動量の変動幅もまた, 個人差が大きかった。2) 入院中の腎疾患患児の平均1日エネルギー消費量は36例中26例が生活強度I (軽度) 以上であり, そのうち4例がII (中等度) 以上であった。また最大1日エネルギー消費量では, 36例中34例が1以上であり, そのうち10例はII以上であった。3) 慢性腎炎患児のほぼ半数に運動量の増加と1日蛋白量の増加の間に連動関係が見られた。4) 病状が安定している腎疾患患児の運動許容限界は%BMR125付近にあった。

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