1995 年 15 巻 4 号 p. 1-8
人工肛門造設患者の退院後の主観的評価を高めていくために, 人工肛門造設患者のQOLモデルを作成し, さらにモデルを構成する因子に関連する要因を明かにした。
共分散構造分析を行い, 有意なパス係数のみで構成した結果, 人工肛門造設術の落胆, 人工肛門造設術の安堵感, 積極的生活姿勢, 生活の主観的評価, 健康的生活, 生活上の苦痛, 人工肛門の負担感, 食事の満足, 自己価値観, ソーシャルサポートの10因子の因果関係が明かになった。
モデルを構成する10因子に影響を及ぼしていた要因は, 婚姻状況, 人工肛門装具交換の分担, 性生活の満足であり, いずれも家族が関係する3要因であった。