日本看護科学会誌
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病院の特性別にみた重症ケア患者の分布
菅田 勝也
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1995 年 15 巻 4 号 p. 9-14

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抄録

この研究の目的は, 濃密なケアを必要とする重症患者 (重症ケア患者) について, 病院特性別の分布を明らかにすることである。平成3年9月, 全国の病院から層化無作為抽出法 (抽出確率20%) で調査対象施設を抽出し, 病院看護に関する統計調査を郵送法で実施した。病棟情報については, 病床規模別にみて偏りが少ない標本が得られるように設計した。全国総病床数の4.2%にあたる情報が得られた。一般病棟の重症ケア患者の割合は総数で5.4%であった。病床規模が大きくなるにつれて上昇し,100床未満の病院の3.0%に比べ,500床以上では7.8%と約2.5倍であった。設置者別では, 医育機関の病院が最も高く9.9%, 次は公的医療機関の5.8%であった。私的病院は重症ケア患者の割合が低く, 個人病院は3.6%, 医療法人は4.1%であった。設置者別に分けてみても, 病床規模が大きくなるにつれて重症ケア患者の割合は高くなっていた。重症ケア患者の割合を厚生省方式看護度分類のA-1患者の割合と比較したところ齟齬が認められた。ケアニーズは重症度によって規定されるところが大きいので, 患者分類法には明瞭な重症度概念が包含される必要がある。

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