日本看護科学会誌
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経皮酸素分圧値を指標とした除圧ケアおよびマッサージ効果の検討
真田 弘美金川 克子稲垣 美智子西村 真実子川島 和代須釜 淳子
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1995 年 15 巻 4 号 p. 23-30

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抄録

褥創予防のケアといわれる除圧用具とマッサージの効果について, 健常人を対象に仙骨部の経皮酸素分圧 (TcPO2) を測定することにより以下の結果を得た。各除圧用具とコントロールの布団・パッドの圧迫前値に対する60分圧迫中のTcPO2の変化率の割合を比較したところ, 各除圧用具間で有意な差があった。円座, エアーマットレス, クレーターマットレス, 布団, マットレスパッドの順でTcPO2値が高く, 除圧効果があると言えた。5分間マッサージを付加した後に60分間仰臥位で圧迫し, 圧迫を除去した後のTcPO2の変化をマッサージしない群と比較した。その結果, 5分間マッサージ有群と無群ではTcPO2の回復時間には有意差はみられなかった。以上より, 褥創予防には除圧用具としてエアーマットレスが有効であること, 圧迫する前に予めマッサージすることはTcPO2を指標として見た限り, その意義は見い出せなかった。

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