日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
看護ケアの質を評価する尺度開発に関する研究
信頼性・妥当性の検討
堀内 成子太田 喜久子小山 眞理子森 明子小松 浩子岡谷 恵子高田 早苗井部 俊子岩澤 和子飯塚 京子清水 喜美子山田 雅子南 裕子W.L. HOLZEMER
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 16 巻 3 号 p. 30-39

詳細
抄録
本研究は看護ケアの質質問紙の信頼性・妥当性を検討するために, 看護婦742名, 患者626名を対象に調査を行った。
「看護ケアの質質問紙一患者用」(QNCQ-PT) 39項目, 及び「看護ケアの質質問紙-看護婦用」(QNCQ-NS) 43項目であり, それぞれ11のサブスケールからなるリカート型尺度である。
QNCQ-PTの構成概念妥当性は, 因子分析結果から, 11のサブスケールが分割されることなく抽出され, 理論構成は支持された。また, 患者信頼スケールとの間に高い相関関係が認められ, 併存妥当性が支持された。さらに, 患者のケアの質の評価は, 退院時の健康度を予測する事が可能であり, 予測妥当性は支持された。
QNCQ-PTの信頼性は, 内的整合性の指標であるCrOnbach'sα係数が全体で0.98であり, サブスケール別でも0.7以上であった。安定性は再テスト法を行い, 全体で信頼性係数0.91であった。
QNCQ-NSの構成概念妥当性は, 因子分析結果から, 11のサブスケールが1-3個まとまって抽出され, 理論構成は支持された。また, 理論的予測に基づく関係性として, 看護婦の仕事満足との間に相関関係が認められ, 構成概念の妥当性は支持された。
QNCQ-NSの信頼性は, Cronbach'sα係数が全体で0.96であり, サブスケール別でも0.7以上であった。安定性は再テスト法を行い, 全体で信頼性係数0.73であった。
以上の結果より, QNCQ-PTおよびQNCQ-NSともに, 質問紙全体としての妥当性・信頼性があると判断された。
著者関連情報
© 公益社団法人 日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top