抄録
血液透析を受けている患者を対象に, 患者が健康を守るために自ら行っている自己決定の構造を明らかにすることを目的に, 帰納的研究を行った. データを分析し検討した結果, 本研究から以下のような結論に達した.
(1) 患者の自己決定は,<目標><状況認識><自己認識><選択肢><計画性><決断結果に対する思い>の6つの構成要素からなる.
(2) 自己決定は, 6つの構成要素が互いに影響しあっており, その特徴から, 建設的決定型・現実直視決定型・綿密的決定型・独断的決定型・消極的決定型・成り行き任せ的決定型・抵抗的決定型の7つのタイプが見られた.
(3) 自己決定の質を支える要因として, 現実の認識力・ニード願望のコントロール・柔軟性・決断への自己関与が抽出された.