日本看護科学会誌
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腰痛のある妊婦に対する足浴の効果
桃井 雅子
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1999 年 19 巻 1 号 p. 31-41

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抄録
本研究は腰痛のある妊婦に対して足浴を実施および指導し, その効果を検証することを目的とした. Roy適応モデルをもとに看護介入を計画し, 四つの適応様式の側面から実験群と対照群の行動の変化を比較した. 実験群の妊婦に対して介入初日に足浴の実施と指導を行い, その後, 二週間の介入期間中は妊婦自身が家庭において自分で足浴を実施した. またこの間は, 随時, 電話により足浴に関する質問への対応を行った. 行動の査定は, 実験群は介入前と介入後で行い, 一方, 対照群は, 実験群と同じ日数の間隔を空けて行った.
得られた対象は実験群30例, 対照群31例であった. 両群の行動の変化を比較した結果, 介入の効果が認められたのは, 痛みの強さを軽減したことと, セルフケア動作機能の低下をより少なくしたことの二つであった. よって, 足浴は腰痛のある妊婦の訴えを軽減するのに効果があると判断した.
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