日本看護科学会誌
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がん患者の家族の情報ニーズおよび情報伝達に関する認識とその関連要因:初期と末期の比較
福井 小紀子
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キーワード: 家族, がん患者, 情報
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2002 年 22 巻 3 号 p. 1-9

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抄録
本研究ではがん患者の家族の初期および末期における情報ニーズおよび情報伝達に関する認識とその関連要因について検討した. 対象は総合病院一般病棟および緩和ケア病棟へ入院したがん患者の家族であり, 質問紙を用いた面接調査を行い, 疾患, 治療, 予後, 患者および家族へのケアに関する情報ニーズおよび隋報伝達状況について尋ね, さらに各情報の伝達の有無への関連要因を検討した. 各期66名が対象となり, 情報ニーズを持つ家族のうち, 初期に疾患, 治療, 予後の情報伝達のあった家族は6-7割, 患者および家族へのケアに関する情報伝達のあった家族は1-3割であった. 末期は疾患, 治療, 予後および患者へのケアに関する情報伝達のあった家族は7-9割, 家族ケアに関する情報伝達のあった家族は約5割であった. また, 高齢, 患者への病名告知なし, および患者が治療を受けていない家族は情報ニーズがあるにもかかわらず有意に情報が伝達されていないと認識していた.
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