日本看護科学会誌
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手術療法を受ける乳がん患者の術式選択のプロセスに関する研究
国府 浩子井上 智子
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2002 年 22 巻 3 号 p. 20-28

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抄録
本研究は,乳がん患者の術式選択のプロセスを明らかにし, 手術を受ける乳がん患者のよりよい術式選択に対する看護援助への示唆を得ることを目的とした. 乳がんのIまたはII期と診断され, 医師から術式選択を任された患者18名を対象として, 術式に対する気持ちや考えに関する半構成的面接調査と参加観察を実施し, 質的帰納的に分析した.
その結果, 乳がん患者の術式選択は, 希望貫徹型, 段階的納得型, 動揺型, 振り回され型の4タイプに分類された. この4タイプを包括する乳がん患者の術式選択のプロセスは, 初期の反応, 当初の術式への疑問, 希望する術式への思い, 術式選択の葛藤, 術式決定の5局面で構成されていたことが明らかになった.
乳がん患者の術式選択を促進するための看護支援として, 早期からの情報提供と修正, 人生観と乳房に対する価値観の明確化への支援, 困難な術式選択の道のりへの支援二が示唆された.
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© 公益社団法人 日本看護科学学会
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