抄録
本研究は, 診断後1年間にわたる頭頸部がんを経験する人々のQOLのありようを明らかにすることを目的とした.
初めて頭頸部がんに罹患した8名を研究参加者として, がん専門病院初診時から1年間にわたり, 受け持ち看護師として看護を実践した. 研究参加者と受け持ち看護師としての研究者との言語的・非言語的相互行為の記述資料を素材として, 質的帰納的に, 研究参加者一人ひとりのQOL, 及び個別性を越えて浮かび上がったQOLのありようを記述した.
診断後1年間にわたる頭頸部がんを経験する人々のQOLは, その時そこでの, 一人ひとりの【がんを完治できる確信】を核として,【がんの完治の優先性】,【生きる営みに寄せる実践的関心】, 及び【自己のありようへの了解】に特徴づけられることが明らかになった.
看護職者は, 看護実践を通して, 時機を得てかつ継続的に, 頭頸部がんを経験する一人ひとりの先述の4つのありように関するより深い対話ができる立場におり, 一人ひとりとの対話に基づいてQOLのありようを理解し, その理解を看護実践に反映できると考えられた.