日本看護科学会誌
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在宅における要介護者の摂食・嚥下障害の有無と身体機能, 主介護者の介護負担感および介護時間との関連
松田 明子
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2003 年 23 巻 3 号 p. 37-47

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抄録

【研究目的】在宅における要介護者のうち摂食・嚥下障害の有無と身体機能および主介護者の介護負担感, 介護時間との関連を明らかにした.【研究方法】滋賀県の2施設の訪問看護ステーションを利用している介護度2以上の者178名から, 摂食・嚥下障害者 (摂食・嚥下障害者群) とそれを持たない者 (対照群) を性, 年齢, 要介護度を1対1にマッチングを行って33ペアを抽出し, 両群の主介護者および本人から面接調査を行った. 調査項目は, 主介護者の介護負担感, 介護時間, 要介護者の日常生活動作能力 (ADL), 経皮的酸素飽和度 (SpO2), 窒息経験の有無などであった.【結果・考察】摂食・嚥下障害者群は対照群に比べて有意にSpO2が低く, 窒息の経験も対照群に比べて有意に多かった. 重回帰分析の結果, 介護時間は摂食・嚥下障害の有無に正の相関があった. このことから, 要介護者が摂食・嚥下障害を伴うことが主介護者の介護時間の延長につながることが示唆された.

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