日本看護科学会誌
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性暴力被害に関する看護者への教育プログラムの評価
片岡 弥恵子
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2004 年 24 巻 1 号 p. 3-12

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抄録
近年, 性暴力被害が女性の健康に大きな影響を及ぼすことが明らかにされてきたが, 性暴力被害に関する看護者への教育プログラムの開発と評価はほとんど行われていない. そこで本研究は, 性暴力被害に関する看護者への教育プログラムを実施し, 評価することを目的とした.
対象は, 教育プログラムに参加を希望した33名の看護者である. 教育プログラムは7時間で, 強姦神話を含めた性暴力被害者に対する看護者の態度を重視した. 成果変数は, 看護者の「性暴力に対する態度」,「性暴力に関する一般知識」,「性暴力被害者への看護ケア」の3点とし, プログラム前, プログラム後, 1カ月後の測定を行った. 比較群として, 教育プログラムに参加していない看護者33名を抽出した.
二元配置分散分析の結果,「性暴力に対する態度」得点の変化 (F=6.848, df=1, p=.011) および「性暴力被害者の看護」得点の変化 (F=28.946, df=1, p<.001) に2群間で有意な差が認められた. これらの結果から, 教育プログラムは性暴力に対する看護者の態度を変化させ, 性暴力被害者への看護の理解を高めるのに効果的であったと結論づけることができる.
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