本概念分析の目的は, 欧米で使われているHealth Beliefの概念のわが国の保健活動の実践と研究における活用性を検討することである.
分析の方法は, Rodgersのアプローチを用い, 論文を対象に, 主に属性, 先行因了, 帰結に関する記述についてデータ収集し, 質的に内容を分析した.
分析の結果, 属性, 先行因子, 帰結は, 個人と社会文化的集団のものに大別され, 個人はその個人の属する社会文化的集団から影響を受けているという関係性が抽出された. 概念の属性は,「個人の健康行動を引き起こす動機」,「個人の健康と病気についての態度や考え」,「社会文化的集団の健康に関する価値や信念の体系」の3つであった. 先行因子には, 個人のもつ内的因子と個人を取り巻く外的因子, 帰結には, 個人と集団の行動的側面と保健施策的側面が抽出された.
分析結果から, Health Beliefの概念の定義とモデルケースを案出し, わが国の保健活動の実践と研究において活用すべき概念であることが明らかとなった.
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