日本看護科学会誌
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腸音解析を用いたMiyaJima式腹部圧迫法の排便促進効果
宮島 多映子佐藤 みつ子
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キーワード: 便秘, 腸音分析, 排便促進
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2005 年 25 巻 3 号 p. 12-21

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抄録

本研究の目的は Miyajima 式腹部圧迫法の排便促進効果を明らかにすることである. 対象者は健康な女性20名 (20~36歳, 対照群23.1±4.6歳, 圧迫群25.4±6.1歳) である. 対象者を2群に分け, 腸音波形・日阪語版便秘評価尺度 (CAS)・排便状態の自覚を比較した. 腸音波形は圧迫後0~1分・1~2分・2~3分・3~4分・4~5分の区間解析を行い, 安静時との変化率を算出した. その結果, 圧迫群の振幅の平均値は0~1分後で有意に低かった(P<0.05). 圧迫群の振幅の標準偏差はすべての区間で有意に高かった (P<0.01). 圧迫群の振幅の面積は0~1分後・2~3分後・4~5分後で有意に高かった (p<0.01, p<0.05, p<0.05). 圧迫群の CAS の便秘者は便秘が軽減した. 圧迫群の2名が圧迫後10分以内に, 6名が圧迫後24時間以内に排便した. 圧迫群の1名が圧迫中,4名が圧迫後10分以内に, 9名が圧迫後24時問に排ガスした. 圧迫群の7名が圧迫中, 6名が圧迫後10分以内に, 7名が圧迫後24時間以内に腸蠕動亢進を自覚した. 圧迫群は排便促進効果を8名が自覚した.
以上から, Miyajima式腹部圧迫法は排便促進効果があることが示唆された.

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