日本看護シミュレーションラーニング学会誌
Online ISSN : 2758-5476
総説
我が国の看護基礎教育課程におけるシミュレータを活用したシミュレーション教育の現状と展望
―看護実践能力に着目した文献検討―
林 さえ子佐藤 ゆかり森本 直樹伊藤 真規
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2024 年 2 巻 p. 2-9

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抄録

目的:看護基礎教育におけるシミュレータを活用した既存の教育実践を網羅的に探索する.

方法:シミュレーション教育,看護基礎教育,看護実践能力を評価した45論文を,5年ごとの出版数,トレーニング種類,シミュレータ種類,看護専門領域,看護実践能力から検討.

結果:論文数は2011年以降増加し,低機能・中機能・高機能シミュレータが活用され,シミュレータと模擬患者を組み合わせた実践もある.成人看護学(急性期)と基礎看護学で多く,精神看護学,在宅看護学での報告はない.看護実践能力群において,IV群:ケア環境とチーム体制を理解し活用する能力,V群:専門職として研鑽し続ける基本能力で活用が少ない.

結論:今後は,看護実践能力のIV群・V群での展開と,精神看護学,在宅看護学の学習目標に適合するVRやAR技術を活用したシミュレータの開発・教育での活用が望まれる.

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© 2024 日本看護シミュレーションラーニング学会
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