2024 年 2 巻 p. 2-9
目的:看護基礎教育におけるシミュレータを活用した既存の教育実践を網羅的に探索する.
方法:シミュレーション教育,看護基礎教育,看護実践能力を評価した45論文を,5年ごとの出版数,トレーニング種類,シミュレータ種類,看護専門領域,看護実践能力から検討.
結果:論文数は2011年以降増加し,低機能・中機能・高機能シミュレータが活用され,シミュレータと模擬患者を組み合わせた実践もある.成人看護学(急性期)と基礎看護学で多く,精神看護学,在宅看護学での報告はない.看護実践能力群において,IV群:ケア環境とチーム体制を理解し活用する能力,V群:専門職として研鑽し続ける基本能力で活用が少ない.
結論:今後は,看護実践能力のIV群・V群での展開と,精神看護学,在宅看護学の学習目標に適合するVRやAR技術を活用したシミュレータの開発・教育での活用が望まれる.