におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
特集(「食」を通してにおい・かおりを考える)
茶の香り
澤井 祐典
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 38 巻 3 号 p. 179-186

詳細
抄録

茶の香気は主に3つの要素から成り立っている.(Z)-3-ヘキセノール,(E)-2-ヘキセノール,ノナナール,(Z)-3-ヘキセニルヘキサノエートなどは若葉の青臭の原因成分であり,2,5-ジメチルピラジン(ピラジン類)などは香ばしい焙煎香の原因成分である.紅茶やウーロン茶に多く含まれるリナロール,ゲラニオール(テルペンアルコール)は花や果実の香りの成分である.
このほか,玉露やてん茶には特別にジメチルスルフィドが多く含まれており,おおい香(葭簀などで遮光して育成することにより発生する)の海苔様の香りの原因成分である.

著者関連情報
© 2007 (社)におい・かおり環境協会
前の記事 次の記事
feedback
Top