抄録
都市大気は,はっきりとにおわないまでも汚染による何らかの臭気を持つ.低温濃縮-嗅覚測定法を用いて大阪市およびその周辺地域において臭気濃度を測定し,あわせて種々の物質濃度測定を行い,臭気濃度との関係について論じた.
26箇所の地点で合計92件測定した臭気濃度は最小0.3から最大5.6の範囲にあり,各地点毎の幾何平均では0.6から3.6の範囲にあった.一般に沿道で臭気濃度が高く,郊外や河川敷で低い傾向にあった.測定した臭気物質の中ではアセトアルデヒドが最も一般環境の臭気濃度への寄与が大きいと考えられた.