抄録
食品包装用フィルムに要求される性能のひとつにバリア性があり,内容物の酸化劣化を防止するために多くのガスバリア性フィルムの開発されてきた.フィルムのガスバリア性には用いる高分子のガラス転移点,結晶化度,自由体積,凝集エネルギー密度が関係している.一方でフィルムの保香性はガスバリア性と必ずしも一致しない.保香性には透過する香気成分と包装フィルムの「親和性」が重要である.
また,フィルムの保香性は使用する環境やその成分によって異なる.このためその特性に応じたバリアフィルムの選定を行う必要がある.