乾しいたけおよびそのだし汁はさまざまな日本の調理に利用されている.乾しいたけの水戻しによって得られるだし汁の風味は,水戻しの際の時間や温度に影響される.本論文では,水戻しの条件を3種類設定し,得られただし汁について,そのにおいをGCにおいかぎと官能評価により検討した.におい濃縮物は溶媒抽出物をSAFE装置により精製する方法と連続水蒸気蒸留抽出法により得た.AEDA法により,ジメチルトリスルフィド,ジメチルテトラスルフィド,1,2,4,6-テトラチエパン等の含硫化合物のFDファクターが高いことが明らかになった.官能評価では,簡便な方法の38℃(温湯),30分の水戻し条件がにおいの点で好ましいと考えられた.