近年,東京都の水源である多摩川では,かび臭原因物質2-MIBを産生する河床付着性藍藻Phormidium autumnaleに起因する問題が続いており,平成25年8月には浄水場の原水で220ng/Lという極めて高い濃度を記録している.夏季の高水温期には少ない藍藻数でも河川中の2-MIB濃度は高くなる一方で,冬季の低水温期に藍藻が多数繁殖しても,2-MIB濃度はさほど高くならないことから,この藍藻の2-MIBの産生および放出は水温の影響を受けているものと推定された.浄水場における高濃度2-MIB除去対策として,水理模型実験を踏まえて,中次亜注入方式を導入したところ,粉末活性炭の除去効率が約2倍に改善された.