におい・かおり環境学会誌
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特集(水道水のにおい(Part 1))
かび臭原因物質を産生する河床付着性藍藻の挙動と対策~多摩川上流域での事例~
木村 慎一久野 草太郎堀川 博哉新谷 仁美江原 和宏岩永 秀
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2018 年 49 巻 1 号 p. 10-20

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抄録

近年,東京都の水源である多摩川では,かび臭原因物質2-MIBを産生する河床付着性藍藻Phormidium autumnaleに起因する問題が続いており,平成25年8月には浄水場の原水で220ng/Lという極めて高い濃度を記録している.夏季の高水温期には少ない藍藻数でも河川中の2-MIB濃度は高くなる一方で,冬季の低水温期に藍藻が多数繁殖しても,2-MIB濃度はさほど高くならないことから,この藍藻の2-MIBの産生および放出は水温の影響を受けているものと推定された.浄水場における高濃度2-MIB除去対策として,水理模型実験を踏まえて,中次亜注入方式を導入したところ,粉末活性炭の除去効率が約2倍に改善された.

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© 2018 (社)におい・かおり環境協会
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