本研究では実使用環境を想定した住宅のトイレに芳香消臭剤を設置することで,便器内から発生させた擬似排便臭がどれだけ感じられなくなるかを嗅覚試験によって検証した.消費者を対象に「9段階快・不快度表示法」および「容認性評価」によって検証を行った結果,芳香消臭剤を設置することによって擬似排便臭の不快度および非容認率が改善することがわかった.
また,異なる香りの芳香消臭剤と比較した場合,消臭効果に差が見られた.さらに本試験の結果は芳香消臭脱臭剤協議会の自主基準に基づいた消臭剤効力試験法による評価結果と同様の傾向が見られたため,実使用環境を想定した空間における芳香消臭剤の消臭効果を検証できていると考える.