2022 年 53 巻 1 号 p. 17-24
昆虫は優れた感度と選択性を兼ね備えた嗅覚受容体をもつ.こうした昆虫の嗅覚受容体をデバイスに組み込むことで優れたにおいセンサとして利用できると考えられている.筆者らは液滴接触法により作製した脂質二重膜に蚊の嗅覚受容体を再構成させたバイオハイブリッドにおいセンサの開発に取り組んでいる.この嗅覚受容体をセンサとして利用する場合の課題は,におい分子の多くが難水溶性を示すことにある.本稿では難水溶性のにおい分子を液滴に導入する機構について記し,その応用としてセンサとロボットの統合および呼気診断の実証実験について紹介する.