におい・かおり環境学会誌
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53 巻, 1 号
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じんちょうげ
特集(昆虫の嗅覚・嗅覚受容体とその応用)
  • 小島 英順
    2022 年 53 巻 1 号 p. 2
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル 認証あり
  • 三澤 宣雄, 光野 秀文, 櫻井 健志
    2022 年 53 巻 1 号 p. 3-16
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル 認証あり

    近年,生物の嗅覚について分子レベルでの研究が活発に行われており,様々なにおい物質への応答のデータベース化が進んでいる.生物の中でも特に昆虫はにおいの検出能力が優れており,研究対象として遺伝子工学的手法に基づいた嗅覚メカニズムの解明が著しい.そこで,我々は昆虫の嗅覚系に着目し,においセンサへの応用を見据えて昆虫の嗅覚受容体および生体の活用を検討している.本稿では,異種細胞での昆虫嗅覚受容体発現系の利用や遺伝子改変昆虫の作出について解説する.

  • 山田 哲也, 大﨑 寿久, 竹内 昌治
    2022 年 53 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル 認証あり

    昆虫は優れた感度と選択性を兼ね備えた嗅覚受容体をもつ.こうした昆虫の嗅覚受容体をデバイスに組み込むことで優れたにおいセンサとして利用できると考えられている.筆者らは液滴接触法により作製した脂質二重膜に蚊の嗅覚受容体を再構成させたバイオハイブリッドにおいセンサの開発に取り組んでいる.この嗅覚受容体をセンサとして利用する場合の課題は,におい分子の多くが難水溶性を示すことにある.本稿では難水溶性のにおい分子を液滴に導入する機構について記し,その応用としてセンサとロボットの統合および呼気診断の実証実験について紹介する.

  • 石川 幸男
    2022 年 53 巻 1 号 p. 25-36
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル 認証あり

    昆虫の性フェロモン研究は,害虫管理への応用に対する期待が一つの強い動機づけとなって進んできた.性フェロモンの研究は当初ガ類を中心に進んだが,これにはガ類に農作物の重要害虫が多く含まれることも関係している.本稿では,ガ類の性フェロモンの種特異性が生まれる仕組みをその生合成経路に基づいて説明し,最近の動きである,植物に昆虫の性フェロモンを生産させる試みについて触れる.また,研究の進展にともない,その応用が模索されているコナカイガラムシ類,アブラムシ類,カミキリムシ類の性フェロモンについて触れる.

  • 尾﨑 まみこ, 北条 賢, 上尾 達也
    2022 年 53 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル 認証あり

    真性社会性昆虫であるアリ類は,少数の生殖虫と多数の同じ体臭を持つ働きアリで構成される巣(コロニー)単位で統制のとれた行動を示す.特に,巣外に出て活動する働きアリ(ワーカー)どうしの行動の基盤となるのは,巣仲間を「味方」と判断し,非巣仲間を「敵」と判断する識別ルールである.このルールの成立を可能にしているメカニズムを,敵・味方識別に特化した炭化水素感覚器に着目して,フェロモンを受容体タンパク質へと運ぶ低分子タンパク質CSPやフェロモン受容神経どうしが末梢で情報をやりとりするマイクロネットワークの発見などのトピックスも織り込みながら,分子(群),細胞(群),個体(群)レベルを通して解説する.また,アリの敵・味方識別の行動規範を逆手にとって在来生態系の生物多様性を脅かす外来アリ種の侵入と生息拡大を阻止する可能性も紹介する.

  • 小野 肇
    2022 年 53 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル 認証あり

    ミバエ科昆虫は,数多くの重要害虫を含んでいるが,化学物質を介した植物との興味深い関係が知られている.例えば,植物の揮発性物質は,ミバエ科昆虫の配偶行動や寄主探索行動において重要な役割を果たしている.そのため,植物の揮発性物質に応答する嗅覚受容体の特性を明らかにすることは,化学受容を介した環境適応のメカニズムを分子レベルで理解する上で重要である.本稿では,主に我々の研究例を中心に挙げながら,ミバエ科昆虫における嗅覚受容体研究の最近の進展状況を概説する.

研究論文
  • 大野 敦子, 鈴木 萌人, 矢田 幸博
    2022 年 53 巻 1 号 p. 50-59
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル フリー

    紅茶の香りが自律神経活動に及ぼす効果について検討した結果,ダージリン紅茶セカンドフラッシュの香り吸入後に縮瞳率および指尖皮膚温は有意に上昇した.その効果は,アッサム紅茶とウバ紅茶の香りの効果より大きかったことから,交感神経活動を抑制し,副交感神経活動を優位にする鎮静作用が高いことが示唆された.香気成分分析によりダージリン紅茶セカンドフラッシュに特徴的な香気成分;ゲラニオール,ホトリエノール,2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン,2-フェニルエチルアルコールを選定し,紅茶飲用時の規定濃度でそれぞれ吸入した結果,ホトリエノールのみが縮瞳率を有意に上昇させた.濃度依存性を検討した結果,ホトリエノールは5 ppm以下の低濃度において縮瞳率は有意に上昇した.さらに,ホトリエノール50 ppm吸入後に縮瞳率ばかりでなく,指尖皮膚温も有意に上昇したことから,ホトリエノールはダージリン紅茶セカンドフラッシュと同様の鎮静作用を有することが示された.以上の結果から,ホトリエノールはダージリン紅茶セカンドフラッシュの香りによる鎮静作用の発現に寄与する最も重要な成分であることが示唆された.

技術論文
  • 江﨑 俊文, 浅野 良太, 松村 嘉員, 松宗 憲彦, 喜多 純一, 樋口 能士
    2022 年 53 巻 1 号 p. 60-67
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/02/10
    ジャーナル フリー

    感覚的消臭効果を測定する方法として,既往の臭気強度法注1)よりも客観性に優れていると考えられた認知臭気濃度法注2)が提案されている.本研究では,認知臭気濃度法により複数の消臭剤の消臭能力を比較確認後,臭気強度法との定量的な比較を行った.その結果,認知臭気濃度法では,芳香空気存在下でも,臭気強度0.5の差に相当する臭気指数差の違いが分かることが確認された.また,臭気強度法では消臭効果の差異を示すことができなかった2芳香間の違いについて,認知臭気濃度法では有意な差が得られることも確認した.この2芳香間での消臭効果の差異は,一般消費者を用いた評価結果でも検証できた.

    注1)消臭剤等を作用させることにより,対象臭の臭気強度がどれくらい下がるかを評価する方法

    注2)消臭剤等を作用させることにより,対象臭の認知臭気指数がどれくらい下がるかを評価する方法

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