におい・かおり環境学会誌
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研究論文
貯蔵臭をもつウンシュウミカンの選別法開発(第1報)—可食部における貯蔵臭物質の同定—
笹川 智史古藤田 信博田中 義樹池田 繁成松元 篤史佐藤 克久上村 智子小山 玲音上野 大介
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2022 年 53 巻 6 号 p. 357-365

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抄録

ウンシュウミカンの“貯蔵臭”による品質低下が問題とされている.貯蔵臭とは“長期貯蔵”されたカンキツ類から感じる食品異臭(オフフレーバー)とされているが,その詳細は明らかとなっていない.本研究では貯蔵臭をもつウンシュウミカンの選別法開発に向け,嗅覚官能評価によって貯蔵臭を定義すること,貯蔵臭物質を同定することを目的とした.常温および低温で長期貯蔵されたウンシュウミカン可食部を対象として嗅覚官能評価に供試した結果,常温区(25°C)と比較して低温区(4°C)において“草のようなにおい”が強まったことから,その印象を貯蔵臭として定義した.倉庫内部の臭気を評価したところ“草のような”においは感知できず,外部からの臭気付着は無いと考えられた.続いて“草のようなにおい”を対象として“におい嗅ぎガスクロマトグラフィー(GC-O)”をもちいて物質同定に取り組んだところ,p-シメネンが貯蔵臭物質として同定された.

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© 2022 (社)におい・かおり環境協会
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