抄録
テレワークは、当初、新型コロナウイルス感染拡大により緊急避難的に導入されたが、現在、以前のように行動制限、出勤自粛の措置が要請されていないため、中小企業を中心に、緊急避難的に導入されたテレワーク勤務から従来の出勤スタイルへの揺り戻しがみられる。他方で、一部企業においては、テレワークを社員のウェルビーイングを改善する働き方と位置づけ、テレワークを通常の勤務形態とするなどの先進的な取組みを行っている。現状は、テレワークに関して相反する潮流が混在しているといえる。
こうした状況の中で、本特集は、テレワークを持続可能な将来の働き方の一つと位置づけたうえで、その定着化にむけた取組みとそこから浮かび上がる課題、とくに健康管理・労務管理上の課題と法政策の在り方について、5つの論文が様々な観点から検討している。