抄録
新型コロナウイルスの世界的流行ならびに遷延とあいまって、新しい働き方としてのテレワークが社会に広がりつつある。WHO ならびにILO は2022年2月、テレワークの労働安全衛生に関する技術的ガイダンスを公表した。これは、従来の情報通信機器を用いた労働による健康影響や、テレワークに関する労働行政提言を踏まえ、主として先進国のオフィスワークに関して発信されてきた、テレワークの健康影響やその対処に関する2021年前半までの調査研究をエビデンスに、現段階の暫定版として作成されたレビューである。テレワークの健康影響や安全衛生・ウェルビーイング・健康行動に関する課題とともに、雇用主・労働者・行政・そして産業保健活動が担うべき役割について、その指針が示されている。