2023 年 2 巻 1 号 p. 74-78
2021(令和3)年の厚生労働省の統計によると、民間企業の障害者雇用数は18年連続で過去最高を更新し着実に進展している。民間企業が障害者雇用促進法改正に積極的に対応した結果、障害者雇用数の増加につながっている。障害者雇用促進法が2013(平成25)年に改正され、民間企業においても合理的配慮が法的義務化された。合理的配慮は、当事者から提供者である企業への申し入れを基本に相互の合意形成により提供されるが、実際には当事者または企業の認識が十分でないために合意形成が成り立たないこともある。また、精神障害者への配慮には個別性が非常に高く、前例がそのまま適用するとは限らないなど課題が多くある。人事担当者の立場から、精神障害者の雇用促進と法―合理的配慮を中心に考察する。